不動産投資を始めるとき、「物件を購入した後の管理はどうするのか?」と疑問に思う方もいると思います。
入居者からの問い合わせ、家賃の回収、設備が壊れたときの対応、退去時の立ち会い、そして次の入居者募集。
こうした業務を自分ですべて行う「自主管理」という方法もありますが、私は現在所有している5戸すべての賃貸管理を、同じ管理会社に委託しています。
私は会社員として働きながら自営業を続け、大家もしています。それでも、5戸の賃貸管理に時間を取られているという感覚はほとんどありません。
その大きな理由が、自分でやる必要のない実務はプロに任せているからです。ただし、管理会社に任せているからといって、大家として何も考えなくていいとは思っていません。
私が5戸を運用してきて大切だと感じているのは、「管理会社に任せる仕事」と「大家自身が判断すること」を分けることです。
この記事では、実際に5戸を管理委託している私の経験から、管理会社に何を任せているのか、管理委託費をどう考えているのか、家賃設定に大家がどう関わっているのか、そして私が自主管理を選ばない理由まで紹介します。
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不動産投資の管理会社は何をしてくれる?
私が管理会社にお願いしている主な業務は次のとおりです。
- 家賃の回収
- 入居者からの問い合わせ対応
- 修繕が必要になった場合の手配
- 退去時の立ち会い
- 次の入居者の募集
- 家賃を変更するときの近隣相場調査
- 同じマンション内の募集状況などの確認
管理会社によって契約内容や対応範囲は異なりますが、私の場合は、賃貸運営で日常的に発生する実務の多くを任せています。ここで一つ区別しておきたいのが、賃貸管理会社と、マンションそのものを管理する管理会社は役割が違うということです。
私がこの記事で「管理会社」と呼んでいるのは、大家に代わって入居者対応や家賃回収、募集などを行う賃貸管理会社です。区分マンションの共用部の維持管理や管理組合の運営を支援する管理会社とは別の役割になります。
私は所有する5戸すべてを同じ管理会社に任せています
現在、私は中古区分マンションを運用するに当たり、全物件を同じ会社へ賃貸管理を委託しています。
私の場合、管理委託費は、(家賃+共益費)×5%+その委託費に対する消費税という契約です。
例えば、家賃と共益費を合わせて45,000円なら、45,000円 × 5% = 2,250円
これに消費税10%を加えて、月2,475円となります。
年間で考えれば当然コストです。
しかし私は、この管理委託費を「もったいない」とは考えていません。
家賃回収、入居者対応、修繕手配、退去立ち会い、募集などを代わりに対応してもらえることを考えれば、むしろ安いと感じています。
ただし、管理費や修繕積立金など、そのほかの固定費が高い物件であれば話は変わります。
不動産投資では管理委託費だけを見るのではなく、物件から毎月いくら残るのかをトータルで見ることが重要だと考えています。
管理会社に任せて良かったと特に感じるのは「入居者募集」
私が管理会社に任せていて特に良かったと感じるのが、入居者募集です。
空室になれば、その部屋からの家賃収入は止まります。そのため、退去後にどれだけスムーズに次の入居者を見つけられるかは、大家にとって非常に重要です。
そして実際に大家を続けてきて感じるのは、単に管理会社と契約していれば、それだけでいいわけではないということです。
私は管理会社の担当者とも、できるだけ誠実に付き合うようにしています。「大家だからこちらが上、管理会社が下」という考え方ではありません。
お互いに対等な関係だと考えています。
もちろん、誰でもいいわけではありません。こちらも、そのような関係を築ける会社や担当者を選びますし、担当者との相性も大切にしています。
相性の良い人とは、仕事だけの機械的な関係ではなく、ときにはちょっとしたお土産を渡したり、食事をしたりすることもあります。特別扱いをしてもらうためではありません。
家族や友人など、自分が大切にしている人に接するのと同じように、仕事で関わる相手とも良い関係を築きたいというのが私の考えです。管理会社も人です。
日頃からお互いに気持ちよく仕事ができる関係を作っておくことは、結果として入居者募集などをスムーズに進めてもらうことにもつながっていると感じています。
管理会社に任せても「家賃設定」は大家から動く
一方で、管理会社に任せっぱなしにしない方がいいと感じていることもあります。
その代表が、家賃のコントロールです。
特に物価や金利が上昇している局面では、以前と周辺の家賃相場が変わっていることがあります。
ローンを利用して物件を購入している大家であれば、金利上昇によって返済負担が増える場合もあります。
だからこそ、退去して新たに募集するタイミングなどでは、「今まで39,000円だったから、次も39,000円」と自動的に決めるのではなく、現在の相場を改めて確認することが大切だと考えています。
私の場合、家賃を上げられそうだと考えた物件については、「このくらいまで上げられないでしょうか?」と、こちらから管理会社に希望を伝えます。
すると管理会社が近隣の家賃相場や、同じマンション内で募集されている別の部屋などを調べてくれます。
その情報をもとに、現実的な募集家賃を決めていきます。
つまり、相場調査や募集という実務は管理会社に任せる。一方で、「今の家賃は適正なのか」「家賃を見直してみよう」という経営判断まで丸投げしない。私はこのように役割を分けています。
500万円で購入した物件では月の手取りが約7,500円増えた
実際に、私が500万円で購入した区分マンションでも家賃条件を見直しています。
購入時の家賃は月39,000円でした。管理費・修繕積立金は月8,400円です。
現在は、家賃45,000円+共益費2,000円=月47,000円で運用しています。
現在の管理委託費は、47,000円 × 5% × 1.1 = 2,585円です。
そこから管理費・修繕積立金8,400円を差し引くと、47,000円 − 8,400円 − 2,585円 = 36,015円となります。
年間では、36,015円 × 12か月 = 432,180円です。
購入価格500万円に対して単純計算すると、この3項目控除後の年間手取り額は購入価格に対して約8.64%になります。
一方、購入時は家賃39,000円だったため、同じ考え方で計算すると毎月の手取りは約28,000円台でした。現在との差は、月に約7,500円です。
1か月だけ見れば数千円の違いです。しかし年間なら約9万円、5年間同じ条件が続けば単純計算で約45万円の差になります。
不動産投資では、こうした毎月数千円の違いが長期間積み重なります。だからこそ私は、家賃設定も大家が考えるべき重要な経営判断の一つだと考えています。
なお、ここでいう「手取り」は、家賃・共益費から管理費・修繕積立金・管理委託費を差し引いた私自身の比較用の数字です。固定資産税、保険、専有部の設備修繕、空室などをすべて差し引いた最終利益ではありません。
ただし「上げられるだけ家賃を上げる」とは考えていない
家賃を見直すといっても、私は最大限まで上げることだけを目的にはしていません。
例えば、「今より9,000円上げられないだろうか」と考えたとします。だからといって、「9,000円上がらなければ意味がない」とは考えません。
私なら、「最悪3,000円上がれば、それでもいい」というくらいの幅を持って考えます。
その中で5,000円アップで決まったなら、3,000円より良かったと考えます。
大家からすれば、家賃は高いほど収入は増えます。しかし入居者から見れば、毎月支払う住居費です。そして、そもそも入居してくれる人がいなければ大家業は成り立ちません。
入居者さんあっての大家です。高い家賃にこだわって空室期間が長くなれば、結果として収入が減る可能性もあります。
だから私は管理会社が調べてくれた相場も参考にしながら、大家側だけの都合ではなく、入居者にとっても現実的な「良い落とし所」を探すようにしています。
修繕は基本的に任せる。ただし自分でできることは自分でする
設備などに不具合が発生した場合は、私の場合、入居者 → 管理会社 → 私 → 修繕を承認 → 業者手配という流れが基本です。
自分では対応できない設備修繕などについては、管理会社から見積もりをもらい、内容を確認して進めてもらいます。
一方、退去後の物件なら、私自身が現地へ見に行くこともあります。管理会社を信用していないからではありません。
自分が所有している物件が現在どのような状態なのか、自分の目でも把握しておきたいからです。
また、クロスの部分補修、床の補修、室内清掃など、自分で対応できる範囲についてはDIYすることもあります。その場合は管理会社に、「ここは自分でやります」と伝えます。
すべてを自分でするわけでも、すべてを管理会社へ任せるわけでもありません。自分でやるメリットがあるところだけ自分でやる。これも私なりの線引きです。
私が自主管理をしない理由は「自分の時間を守るため」
管理委託費だけを見れば、自主管理にすることでその費用を節約できます。それでも私は、自主管理をするつもりはありません。理由は単純です。
他の仕事に影響を出したくないからです。私は大家だけを仕事にしているわけではありません。会社員としての仕事があり、自営業もしています。
そこで家賃回収、入居者からの問い合わせ、退去対応、募集、修繕業者の手配などまですべて自分で抱えれば、本来使いたい仕事や家族との時間まで削られる可能性があります。
数千円の管理委託費を節約するために、自分の時間を何時間も使う。私は、それが必ずしも得だとは考えていません。だから、プロに任せられる仕事はプロに任せて、自分の時間を確保する。ことを選んでいます。
実際、現在5戸を所有していますが、大家業そのものに時間を取られているという感覚はほとんどありません。私にとっては、これが管理委託の非常に大きなメリットです。
初めての1戸なら、まず管理会社に任せてみるのも一つ
「管理委託費がもったいないので、自主管理した方がいいでしょうか?」と聞かれたら、私は、まずはプロに任せてみてもいいのではないかと答えます。
もちろん、自主管理そのものを否定するつもりはありません。時間があり、入居者対応や修繕手配まで自分でしたい人なら、自主管理が合う場合もあると思います。
ただ、会社員など本業を持ちながら不動産投資を始めるなら、数%の管理委託費を節約するために、自分の時間や本業への集中力を使うことが本当に得なのかは一度考えてみた方がいいと思います。
一度プロに任せると、自分ですべて対応する方が面倒に感じるくらいです。私は管理委託費を単なる「経費」ではなく、自分の時間を確保するための費用として考えています。
まとめ|作業はプロに任せる。でも経営判断まで丸投げしない
5戸を所有してきた現在、私が意識しているのは、「管理会社に任せること」と「大家自身が判断すること」を分けることです。
家賃回収、入居者対応、募集、退去対応、修繕手配など、専門性や時間が必要な実務は管理会社に任せる。一方で、家賃設定や物件の状態確認など、所有者として考えるべきところには自分も関わる。
そして管理会社とも、発注者と業者という上下関係ではなく、対等なパートナーとして誠実に付き合う。これが、会社員と自営業を続けながら5戸を所有してきた私の現在のスタイルです。
不動産投資では、何でも自分でやることが正解とは限りません。逆に、管理会社へすべて丸投げすればいいとも考えていません。作業はプロに任せる。経営判断は大家自身も考える。
この線引きをすることで、私は5戸を所有していても、大家業に時間を取られているという感覚をほとんど持たずに運用できています。
働きながら無理なく資産を築いていくためにも、管理会社は単なる「外注先」ではなく、自分の時間と賃貸経営を支えてくれる大切なパートナーだと感じています。
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