初心者のための不動産投資

不動産投資の空室リスクとは?大家になって分かったこと|現役大家の実践防衛術

「リアルエステートK」を運営しているSKです。

不動産投資を検討する際、誰もが一番最初に恐怖を感じるのが「空室リスク」ではないでしょうか?

  • 「もし入居者が退去して、次の人が何ヶ月も決まらなかったら?」
  • 「家賃が入ってこないのに、毎月の支払いで持ち出しになるのでは?」

投資本を読めば「エリアの需要を調べよう」「サブリースを検討しよう」といった教科書通りの解説が並んでいますが、実際に大家になって現場を経験すると、空室に対する見え方や対処法はまるで違います。

今回は、私が2020年に最初の1戸目で味わった「退去連絡のリアルなショック」から、5戸を所有する中で身につけた「家賃を無理なく引き上げる値付けのコツ」、そして「空室を長引かせないための泥臭い現場の知恵」を本音でお話しします。

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1. 1戸目の退去ショックと、5戸所有で見えた「攻めのチャンス」

1戸目:「ついに来たか…」口座からお金が減る恐怖

最初の1戸目を運用し始めてしばらく経った頃、管理会社から「退去予告が入りました」と電話がありました。

その時の私の心境は、正直「ついに来てしまったか…」という重いショックでした。

銀行に現金を預けていてもお金が増えないことは頭では理解していました。

だからこその不動産投資ですが、しかし、いざ空室になると、家賃収入がゼロになるだけでなく、毎月の管理費や修繕積立金だけが口座から機械的に引き落とされ、収支がマイナスに転落します。

「これがお金が減っていく感覚か…」と胃が痛む思いを味わいました。

ですが、同時に「この空室期間のマイナスも含めてこその賃貸経営なのだ」と骨の髄まで理解できたことで、むしろ次の物件を買い増してリスクを分散させようという強いモチベーションに変わっていきました。

5戸目:インフレ時代の「家賃を高くできるチャンス」

ところが、手元資金を管理しながら5戸まで所有物件を増やした現在、退去連絡に対する感覚は180度変わりました。

今の日本は、金利や物価が上昇する局面に入っています。

入居中のお部屋の家賃をいきなり上げるのはハードルが高いですが、退去が出たタイミングであれば、「現在の相場に合わせて、以前より高い家賃で再募集をかける最大のチャンス」になります。

大家SKが実践する「本当に欲しい金額の1/3」の法則

家賃を引き上げるとき、私が目安にしている実践的なルールがあります。

「本心で引き上げたい金額の『1/3』を狙って設定すること」

例えば、「本当はあと9,000円くらい家賃を増やしたいな」と思ったとします。

そこで強気に9,000円も上げてしまうと、周辺相場から浮いてしまい、客付けが難航して空室が何ヶ月も長引くリスクがあります。

  • 本心:9,000円上げたい
  • 狙い目:その1/3である「3,000円アップ」で設定する

3,000円のアップであれば相場の範囲内に収まり、入居希望者もすんなり決まりやすくなります。

「3,000円でも手残りが増えれば大成功」という心持ちで挑めば、もし交渉の末に5,000円アップで決まれば大ラッキーですし、3,000円アップでも十分に目論見通りです。

この心の余裕を持つことで、空室を恐れるのではなく「資産価値を高める機会」として前向きに捉えられるようになりました。

2. 空室を即座に埋めるための「生々しい現場の知恵」

退去が出た際、ただ管理会社任せにして待っているだけでは部屋は埋まりません。

私が現場で実践している「早期客付けの武器」は2つあります。

① 管理会社との人間関係は「目に見えない財産」

賃貸仲介の営業マンも、感情を持った生身の人間です。

日頃から横柄な態度を取らず、相手の立場を尊重して良好な関係を築いておくと、現場で驚くような変化が起きます。

同じマンション内に自分の部屋より少し安い競合の部屋が出ていたとしても、「SKさんの部屋をなんとか優先して案内して決めよう!」と営業マンが率先して動いてくれる場面が多々あるのです。

「人対人」の信頼関係を丁寧に育てておくことは、どんな小手先のテクニックよりも確実に目に見えない利益を運んでくれます。

② 広告料(AD)を惜しまない:現金買いだからこそのスピード感

非常に生々しい話ですが、賃貸仲介会社にとって「入居促進費(広告料/AD)」の設定は、客付けの熱量を大きく左右します。

繁忙期を逃しそうなタイミングや少し動きが鈍い時期には、「広告料を2ヶ月分など多めに設定する」というカードを切ります。

営業マンからすれば、案内を決めた時の自社の売上が増えるため、内見に来たお客様へ真っ先に自分の部屋を推してくれます。

広告料として家賃2ヶ月分を払うのは一見痛い出費に見えますが、出し渋って3ヶ月・4ヶ月と空室が続くくらいなら、即座に広告料を払って翌月から満室にした方が年間の手残りは圧倒的に多くなります。

毎月の銀行返済に追われていない現金買いだからこそ、この広告料を迷わず即決できるのです。

3. 大家SKが教える「最大の空室防衛策」

これから不動産投資を始めたいと考えている40代・50代の方に向けて、空室リスクを乗り越えるためのアドバイスは極めてシンプルです。

① 現金で買い、十分な「不動産運営資金」を別枠で残す

何よりも大切なのは、「突発的な出費や数ヶ月の空室があっても、家計や事業の資金に一切手をつけずに乗り切れる運営資金(プール金)を蓄えておくこと」です。

ワンルームマンションを所有する上で、最も高額な設備トラブルの一つが「電気温水器の故障」です。

通常のガス給湯器と違い、電気温水器が壊れると交換費用だけで一撃で40万〜50万円ほど吹き飛びます。

手元資金がカツカツの状態でこれを食らうと、即座に資金ショートしてしまいます。

そのため、私は基本的に電気温水器の物件には慎重になり、極力手を出しません。

(※私が1戸だけ保有している電気温水器の物件は、「購入直前に前のオーナーが新品へ交換したばかり」だったため、向こう20年近くは故障しないと判断して購入を決断しました)

突発的な設備故障のコストを把握し、手元に現金を厚く残しておくこと。これさえ守っていれば、空室やトラブルを過剰に恐れる必要はまったくありません。

まとめ:空室は「恐れるもの」ではなく「付き合っていくもの」

不動産投資をする以上、空室を100%避ける魔法のような方法はありません。

  1. 1戸目の空室ショックは誰もが通る道。賃貸経営の一部として受け入れる
  2. 5戸まで分散し、退去時は「本当に欲しい金額の1/3」を目安に手堅く家賃アップを狙う
  3. 管理会社との信頼関係を大切にし、必要なときは広告費を惜しまず早期客付けを狙う
  4. 電気温水器などの高額修繕に備え、手元現金をしっかり守って運営する

手元にしっかりとした現金の防波堤を築き、現場の仕組みを理解して一歩ずつ進めていきましょう。

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