中古区分マンションの物件情報を見ると、家賃や利回りと一緒に「管理費」「修繕積立金」が記載されています。
例えば家賃4万円の物件で、管理費と修繕積立金の合計が15,000円だったらどうでしょうか。
「毎月15,000円も引かれるなら、この物件はやめた方がいいのでは?」と感じるかもしれません。
私は現在、中古区分マンションを5室所有していますが、管理費・修繕積立金が高いという理由だけで購入を見送るわけではありません。
反対に、安ければ安いほど良いとも考えていません。
私が見るのは、家賃から管理費・修繕積立金などを差し引いて、毎月いくら手元に残るのか。
そしてもう一つ、その金額でマンション全体を適切に維持していけるのか、です。
実際に所有しているマンションで約10万円の臨時徴収を経験したこともあります。
その経験からも、区分マンションでは自分の部屋の収支だけでなく、マンション全体の管理状況や管理組合の財務を見ることが大切だと感じています。
この記事では、管理費・修繕積立金が高い物件をどう考えればいいのか、5室を所有する大家としての判断基準を紹介します。
この記事でわかること
- 管理費と修繕積立金の違い
- 管理費・修繕積立金が高い物件をどう判断するか
- 安すぎる修繕積立金にも注意している理由
- 私が最低月2万円程度の手残りを一つの基準にしている理由
- 管理組合の財務を確認する理由
- 約10万円の臨時徴収を経験して感じたこと
- 総戸数を確認している理由
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管理費と修繕積立金は何のために払う?
まず、管理費と修繕積立金は同じものではありません。
一般的に管理費は、マンションの日常的な維持管理などに使われます。
例えば、
- 共用部分の清掃
- 共用部分の電気代
- エレベーターなど設備の保守
- 管理会社への委託費用
- 管理員業務
などです。
一方、修繕積立金は、将来必要になる建物や共用設備の修繕に備えて積み立てるお金です。
外壁、防水、給排水設備など、マンションを長期間維持するためにはさまざまな修繕が必要になります。
区分所有者にとってはどちらも毎月の支出なので、安い方が手残りは増えます。
しかし、「安い=良い」と単純に考えることはできません。
管理費・修繕積立金が高い物件は買わない方がいい?
私の答えは、「高いという理由だけでは買わないとは決めない。ただし、高すぎる物件は警戒する」です。
例えば、
物件A
家賃50,000円
管理費+修繕積立金8,000円
と、
物件B
家賃50,000円
管理費+修繕積立金18,000円
では、毎月10,000円の差があります。
年間なら12万円です。
10年間単純に続けば120万円になります。
同じ購入価格・同じ家賃なら、当然ながら管理費・修繕積立金が低い方が手残りは多くなります。
しかし、私が実際に物件を見るときは、管理費・修繕積立金の金額だけでは判断しません。
私は最低でも月2万円程度の手残りを一つの基準にしている
私が中古区分マンションを検討するとき、かなり重視しているのが、「毎月いくら手元に残るか」です。
私の場合、かなり個人的な基準ではありますが、最低でも月2万円程度の手残りを一つの目安にしています。
年間なら、20,000円 × 12か月=240,000円です。
なぜ24万円なのか。
私はこの金額を、単なる利回りだけではなく、自分の生活に置き換えて考えています。
会社員として働いて得る月の手取りに近い金額を、1室のマンションが1年間かけて生み出してくれる。
そう考えると、私にとっては、「利回り○%」という数字より、「この1室が年間で約24万円を残してくれる」
という方が、物件を所有する意味を実感しやすいからです。
もちろん、給与と家賃収入では安定性も税務上の扱いも異なります。
また、固定資産税、保険、空室、突発的な修繕などもあるため、毎月の手残りがそのまま最終的な利益になるわけではありません。
それでも私は、購入判断の一つとして月2万円程度を残せるかを見ています。
管理費・修繕積立金は「家賃とのバランス」で見る
例えば、
家賃40,000円
管理費+修繕積立金15,000円
という物件があったとします。
管理費と修繕積立金だけを見ると、「15,000円は高い」と感じるかもしれません。
家賃から単純に差し引くと、40,000円-15,000円=25,000円です。
もちろん、実際にはここから管理委託費なども考える必要があります。
それでも、購入価格が十分に安く、立地や賃貸需要、建物の状態なども良ければ、私は金額だけを見て検討対象から外すとは限りません。
条件次第では、購入価格400万円程度までなら検討する可能性があります。
つまり私にとって重要なのは、「管理費・修繕積立金が15,000円だから高い」ではなく、「この支出を差し引いたうえで、この購入価格なら必要な手残りを確保できるか」です。
物件価格、家賃、管理費、修繕積立金などをセットで見ています。
修繕積立金は安ければ安いほどいいわけではない
ここは中古区分マンションを購入するときに、特に注意しているところです。
毎月の修繕積立金が安ければ、所有者の手残りは増えます。
しかし私は、安すぎる場合も理由を確認します。
「安くてラッキー」だけでは終わらせません。
仲介会社を通じて、なぜこの金額なのかを確認してもらいます。
可能であれば、管理組合の財務状況なども一緒に確認します。
なぜなら、今の修繕積立金が安くても、将来必要な工事に対して十分なお金が積み立てられていなければ、別の形で区分所有者の負担が発生する可能性があるからです。
私は「今安い物件」より「将来まで維持できそうな物件」を選びたい
例えば二つのマンションがあったとします。
一方は、
現在の修繕積立金は非常に安いが、将来の修繕に必要な資金が十分なのか分からない。
もう一方は、
現在の修繕積立金は多少高いが、長期修繕計画があり、ある程度計画的に積み立てられている。
私なら、どちらかといえば後者を選びます。
もちろん、修繕積立金が高ければ高いほど安心という意味ではありません。
高すぎるなら、「なぜ、これだけ必要なのだろう?」と確認します。
私が求めているのは、安い管理費・修繕積立金ではなく、マンションを維持するために妥当だと思える金額です。
購入前に管理組合の財務も確認する
私が中古区分マンションを購入するときは、可能な範囲で管理組合についても確認します。
特に見たいのが、
- 修繕積立金の総額
- 滞納の状況
- 長期修繕計画
- 過去の大規模修繕
- 今後の管理費・修繕積立金の値上げ予定
などです。
現在の月額が8,000円なのか12,000円なのかだけを見るのではありません。マンション全体として、今後必要になる修繕を行えるだけの準備ができているか。
こちらの方が重要だと考えています。
約10万円の臨時徴収を経験して分かったこと
私は実際に、所有する区分マンションで約10万円の臨時徴収を経験したことがあります。
所有面積などに応じて負担するもので、主に共用部分の天井からの雨漏りに対応する工事でした。
大家として考えれば、約10万円の突発的な支出です。
毎月2万円の手残りなら、単純計算で約5か月分に相当します。
当然、支出がない方が短期的なキャッシュフローは良くなります。
しかし、この工事が終わった後に興味深い話を聞きました。
それまで苦戦していた他の部屋の客付けが、工事後にうまくいき始めたという話です。
もちろん、工事だけが客付け改善の原因だったと断定することはできません。
家賃、募集時期、仲介会社、入居者のニーズなど、賃貸募集にはさまざまな要因があります。
それでも私は、この経験から改めて、マンション全体の管理状態は、自分の部屋の賃貸経営にも関係すると感じました。
自分の部屋だけきれいにしても解決できないことがある
区分マンション投資では、自分が所有している専有部分に目が向きがちです。
室内のクロスを張り替える。設備を交換する。清掃する。こうしたことは、自分の判断でできます。
しかし、
- 共用廊下
- エントランス
- 外壁
- 屋上
- 給排水設備
- 建物全体の雨漏り
などは、一人の区分所有者だけでは解決できません。
自分の部屋をどれだけきれいにしても、共用部分の状態が悪ければ、内覧する人の印象に影響する可能性があります。
だから私は、自分の区分の状態だけではなく、マンション全体が適切に維持されているかも購入判断の一部にしています。
管理状態が良ければ、管理費が高くてもいい?
これも単純には決められないと思っています。
管理状態が良く、「これだけしっかり管理してもらえるなら、この金額でもいい」と思える場合もあるでしょう。
一方で私は、管理状態が良かったとしても、「それでも少しやりすぎでは?」と感じるほど管理費が高ければ、理由を確認します。
重要なのは、その管理によって、大家にどのようなメリットがあるのか。そして、実際に住む入居者にどのようなメリットがあるのかです。
それが家賃や賃貸需要にもつながる内容であれば、多少高くても許容できる場合があります。
しかし、理由が分からないまま高額な管理費を払い続ける物件については、私は慎重になります。
私はマンションの総戸数も確認する
中古区分マンションを検討するとき、私は総戸数も確認しています。
私の場合、購入時には40~50戸以上を一つの目安として見ることが多いです。
理由の一つは、マンション全体の維持管理に必要な費用を、多くの区分所有者で負担できる可能性があるからです。
総戸数が少ないマンションでは、必要な工事が発生したとき、一戸あたりの負担が大きくなる可能性があります。
ただし、「40戸以上なら安全」「小規模マンションは買ってはいけない」という意味ではありません。
建物の規模、設備、築年数、管理状況、修繕計画、財務などによって条件は異なります。
あくまでこれは、私自身が中古区分マンションを購入するときに使っている一つの判断材料です。
管理費・修繕積立金が高い理由、安い理由を見る
私が警戒するのは、高いことそのものだけではありません。
理由が分からないことです。
高いなら、なぜ高いのか。安いなら、なぜ安くできているのか。そこまで考えます。
例えば修繕積立金が安くても、十分な積立金がすでにあり、今後の修繕計画にも無理がないのであれば、見方は変わります。
反対に、現在は安くても、積立金が少ない、滞納が多い、大規模修繕を控えている、将来の値上げが予定されている、といった事情があれば、現在の月額だけで「安い物件」と判断することはできません。
現在の支出額ではなく、その金額になっている理由まで見る。私はここを大切にしています。
修繕積立金の値上げも想定して収支を見る
管理費・修繕積立金は、購入時の金額が将来ずっと続くとは限りません。
そのため物件を購入するときは、現在の条件で毎月いくら残るかだけでなく、修繕積立金が上がったらどうなるかも考えておくと安心です。
例えば現在、
家賃40,000円
管理費+修繕積立金10,000円
だとしても、
将来15,000円になれば毎月の手残りは5,000円減ります。年間では6万円です。
私自身、最低月2万円程度の手残りを一つの目安にしているので、こうした値上げによって自分の基準を下回らないかも重要です。
利回りが高くても管理費・修繕積立金で手残りは変わる
物件情報に掲載されている表面利回りには、通常こうした支出がそのまま反映されているわけではありません。
例えば表面利回りが高くても、管理費が高い。修繕積立金が高い。管理委託費がかかる。となれば、実際の手残りは小さくなります。
だから私は、
表面利回り
↓
管理費・修繕積立金などを差し引いた手残り
の順で確認します。
表面利回りと実際の手残りの違いについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
👉 不動産投資の表面利回りと実質利回りの違い|大家が重視するのは毎月の手残り
管理費・修繕積立金だけで物件を判断しない
最終的に私が中古区分マンションを見るときは、
- 購入価格
- 家賃
- 管理費
- 修繕積立金
- 管理委託費
- 毎月の手残り
- 建物の管理状態
- 管理組合の財務
- 総戸数
- 賃貸需要
などを合わせて判断します。
例えば管理費・修繕積立金が多少高くても、購入価格が安く、賃貸需要があり、毎月必要な手残りを確保できるなら検討できます。
反対に管理費・修繕積立金が非常に安くても、マンション全体の維持管理に不安があるなら慎重になります。
つまり、「管理費・修繕積立金はいくらまでならOKか」という一つの数字だけでは、私は判断していません。
気になる物件は修繕積立金を上げて計算してみる
購入を検討している物件があるなら、現在の管理費・修繕積立金だけで収支を計算するのではなく、
修繕積立金が月3,000円上がったら?月5,000円上がったら?と条件を変えて計算してみるのも一つの方法です。
例えば現在の手残りが25,000円でも、修繕積立金が5,000円上がれば20,000円になります。
そこで、「それでもこの物件を所有したいか」と考えてみます。
当サイトでは、物件価格、家賃、管理費、修繕積立金などを入力して、利回りや毎月の手残り、資金回収の目安を確認できるシミュレーターを公開しています。
気になる中古区分マンションがある方は、現在の修繕積立金だけでなく、値上げした場合の数字も入れて比較してみてください。
まとめ|高すぎるのも安すぎるのも「なぜ?」を見る
管理費・修繕積立金は、中古区分マンションの手残りに直接影響する支出です。
そのため、高すぎる物件について私は慎重に考えます。
しかし、安ければ安いほど良いとも考えていません。
修繕積立金が安すぎれば、「なぜこの金額で維持できているのか」を確認します。
必要であれば仲介会社を通じて、管理組合の財務や修繕計画なども調べてもらいます。
一方、高いのであれば、「その金額を払うだけの管理やメリットがあるのか」を考えます。
そして最終的には、その支出を差し引いて、自分が必要とする手残りを確保できるか。
私の場合、その一つの基準が月2万円程度、年間24万円程度です。
また、実際に約10万円の臨時徴収を経験したことで、マンション全体を適切に維持するためのお金は、単なる支出ではなく、自分の賃貸経営にも関係するお金だと実感しました。
管理費・修繕積立金は、「安いか、高いか」だけを見るのではなく、
「なぜ、その金額なのか」まで見る。
これが、現在5室を所有する私が中古区分マンションを検討するときの考え方です。
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