区分マンション投資を検討していると、物件情報に「家賃4万円」「表面利回り10%」などと書かれていることがあります。
しかし、家賃として入ってくる金額が、そのままオーナーの手元に残るわけではありません。
管理費、修繕積立金、管理会社への委託費、固定資産税、設備の修理など、物件を所有することでさまざまな費用が発生します。
私は現在、5室の区分マンションを所有しています。
1室目を購入するとき、不動産会社の方から表面利回りと実際に残る収益の違いを教えてもらいました。
それ以来、物件を見るときに重視しているのは、「最終的に自分の手元にいくら残るのか」という部分です。
この記事では、区分マンションを実際に所有して分かった維持費と、購入前に確認しておきたいポイントを、私自身の所有物件の数字や、実際に管理会社から振り込まれた金額も交えて紹介します。
また、不動産投資では実際の支出だけでなく、減価償却費など税務上の経費も関係します。
そのため、単純に「支出がある=その金額だけ損をする」と考えるのではなく、実際のお金の流れと税務上の所得を分けて考えることも大切です。
※所有物件を特定できる所在地・マンション名・最寄駅などの情報は掲載していません。
この記事で分かること
- 区分マンションで毎月かかる主な費用
- 毎年・不定期に発生する費用
- 私が所有する5室の実際の手残り
- ADや設備工事などが重なった月の実際の送金例
- 管理費・修繕積立金を見るときの私なりの基準
- 表面利回りより実際の手残りを重視する理由
- キャッシュフローと減価償却費の違い
- 区分マンションは家賃がそのまま手取りになるわけではない
- 区分マンション投資で毎月かかる主な維持費
- 毎年・定期的にかかる費用もある
- 設備の故障など、突然発生する費用もある
- 入居者が入れ替わるときにも費用がかかる
- 実際に所有している5室では毎月いくら残っている?
- 実際にはADや設備工事が重なって、送金額が減る月もある
- 退去は支出だけで終わるとは限らない
- 表面利回りより「実際にいくら残るか」を見るようになった
- 支出だけでなく、税務上の経費も考えておきたい
- 維持費があるからといって、支出だけを怖がる必要はない
- 維持費は購入前に確認できるものも多い
- 購入候補の物件で手残りを計算してみる
- まとめ|「いくら入るか」より「最終的にいくら残るか」
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区分マンションは家賃がそのまま手取りになるわけではない
例えば、家賃が月4万円なら、単純計算では年間48万円の家賃収入があります。しかし、この48万円がそのまま利益になるわけではありません。
区分マンションでは主に、
- 管理費
- 修繕積立金
- 賃貸管理会社への管理委託費
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険
- 室内設備の修理・交換
- 退去後の原状回復やクリーニング
- 入居者募集時のAD(広告料)
などが発生します。
私は物件を見るとき、まず購入時点で分かる費用を差し引いて、「毎月いくら残りそうなのか」を確認しています。
表面利回りは物件を比較する一つの目安にはなりますが、それだけで購入を判断することはありません。
区分マンション投資で毎月かかる主な維持費
管理費
管理費は、マンションの共用部分などを維持・管理するために管理組合へ支払う費用です。エントランスや廊下の清掃、共用設備の維持管理などに使われます。
賃貸管理会社へ支払う「管理委託費」と名前が似ていますが、別の費用です。基本的に毎月発生するため、私は購入前に必ず確認しています。
修繕積立金
修繕積立金は、マンションの大規模修繕など、将来必要になる工事に備えて積み立てるお金です。
オーナーからすると毎月の支出ですが、単純に「安ければ安いほど良い」とも考えていません。現在の積立額が少なくても、将来的に値上げされたり、大規模修繕時に一時金が必要になったりする可能性があるためです。
私の場合、管理費と修繕積立金の合計が月1万円を超えてくると、少し高いなと感じます。ただし、1万円を超えたら購入しないという基準ではありません。
購入価格、家賃、その他の支出を含め、最終的な手残りで判断します。
また、これまで物件を見てきた経験では、総戸数が多いマンションの方が、各区分所有者の負担が比較的抑えられていると感じるケースがあります。
ただし、マンションの設備、築年数、管理状況、長期修繕計画などによっても変わるため、総戸数だけで判断するものではありません。
賃貸管理会社への管理委託費
私は入居者対応や家賃管理などを管理会社へ委託しています。
私が利用している管理会社の場合は、(家賃+共益費)×5%+消費税という契約です。
例えば、家賃と共益費の合計が47,000円なら、47,000円 × 5% × 1.1 = 2,585円です。毎月数千円でも、年間で考えれば一定の金額になります。
管理会社によって料金体系やサービス内容は異なるため、購入前に確認しておきたい項目です。
毎年・定期的にかかる費用もある
固定資産税・都市計画税
不動産を所有すると固定資産税がかかり、物件によっては都市計画税も課税されます。
管理費などのように毎月引かれる費用ではありませんが、年間収支を考えるうえでは無視できません。私が所有している物件でも実際に支払っています。
そのため私は、毎月の通常時の手残りと、固定資産税などまで考慮した年間収支を分けて考えています。
固定資産税については、実際の支払額も含めて別の記事で詳しく紹介する予定です。
火災保険
所有している物件では火災保険にも加入しています。保険料は物件や補償内容、契約期間などによって異なります。毎月発生する費用ではありませんが、長期的な収支を見る場合には考えておきたい支出です。
設備の故障など、突然発生する費用もある
区分マンションを所有していると、毎月の固定費とは別に設備の修理や交換が必要になることがあります。
私の所有物件でもこれまでに、
- エアコン
- IHコンロ
- 水洗トイレのタンクフロート
などの修理・交換が発生しました。
こうした設備がいつ故障するのかを正確に予測することはできません。購入した翌年に壊れるかもしれませんし、何年間も問題なく使えるかもしれません。
そのため私は、毎月の手残りをすべて「自由に使える利益」として考えるのではなく、突発的な支出が発生することも想定しています。
入居者が入れ替わるときにも費用がかかる
退去から次の入居者が決まるまでにも費用が発生することがあります。
私の場合、これまでに、
- AD(広告料)
- 室内クリーニング
- フローリングの軽微な補修
などを経験しています。
ADのように自分では対応できない費用もありますが、室内クリーニングや軽微な補修については、内容によって自分で対応することもあります。
室内クリーニングも、市販されている業務用洗剤などを使って丁寧に拭き掃除することで、自分で対応できる場合があります。
フローリングの小さな傷なら、「かくれん棒」のような市販の補修材を使って目立ちにくくすることもできます。
慣れてくると、それほど難しい作業ではありません。
もちろん、プロと同じ仕上がりを求めるなら専門業者へ依頼した方が安心です。
私は、自分でできるものは自分で対応し、難しいものは業者へ任せるという形で分けています。
時間を使う代わりに費用を抑えるのか、お金を払って時間と仕上がりを買うのか。ここも大家自身の考え方によって変わる部分だと思います。
退去時に発生する費用は、原状回復や設備交換だけではありません。入居者募集の広告料(AD)や、空室期間中に得られない家賃収入も考える必要があります。
私はこれまで4〜5回の退去を経験し、再募集のたびに家賃1か月分の広告料を支払ってきました。
👉 賃貸マンションの退去費用はいくら?5室所有の大家が実例を公開
実際に所有している5室では毎月いくら残っている?
ここからは、私が実際に所有している区分マンション5室の数字を紹介します。
物件を特定できないよう、所在地・マンション名・最寄駅などは伏せ、物件A〜Eとしています。
| 購入価格 | 月額家賃等 | 毎月の手残り | 年間手残り | 購入価格に対する年間手残り率※ | |
|---|---|---|---|---|---|
| 物件A | 280万円 | 37,000円 | 28,565円 | 342,780円 | 約12.24% |
| 物件B | 400万円 | 42,000円 | 30,590円 | 367,080円 | 約9.18% |
| 物件C | 270万円 | 38,000円 | 21,500円 | 258,000円 | 約9.56% |
| 物件D | 300万円 | 33,000円 | 23,005円 | 276,060円 | 約9.20% |
| 物件E | 500万円 | 47,000円 | 36,015円 | 432,180円 | 約8.64% |
※年間手残り率は、毎月の管理費・修繕積立金・管理委託費などを差し引いた年間手残りを購入価格で割った、当サイト独自の参考値です。固定資産税、火災保険、突発的な修繕費、空室・入退去費用などは含んでいないため、一般的な「実質利回り」とは異なります。
5室の購入価格は合計1,750万円です。
現在の通常時の手残りを合計すると、月139,675円、年間1,676,100円になります。
ただし、これは管理費・修繕積立金・管理委託費など、毎月の通常支出を差し引いた私の管理上の数字です。
固定資産税、火災保険、突発的な修繕費、入退去費用、空室による家賃収入の減少などをすべて差し引いた最終利益ではありません。
上表の「購入価格に対する年間手残り率」も、すべての経費を反映した一般的な意味での実質利回りではありません。
私自身、この数字を「実質利回り」として使っているわけではなく、購入価格に対して、毎月の通常支出を引いたお金がどの程度残っているのかを見るための参考値として考えています。
実際にはADや設備工事が重なって、送金額が減る月もある
上の表を見ると、「5室あれば毎月139,675円入ってくる」と思うかもしれません。しかし、実際の賃貸経営はそこまで一定ではありません。
私が管理会社から受け取った2026年6月分の送金明細では、当時の家賃条件に加え、ADや設備工事などの支出が発生しました。その結果、この月に管理会社から実際に送金された金額は、101,539円でした。
現在とは一部の家賃条件が異なるため、現在の139,675円と単純に比較することはできません。それでも、この実例から分かるのは、「通常時の手残り=毎月必ず振り込まれる金額ではない」ということです。
退去すれば募集費用が発生することがあります。設備が壊れれば修理や交換が必要です。原状回復が必要になることもあります。一方で、こうした費用が毎月発生するわけでもありません。
だから私は、1か月だけを見て収益性を判断するのではなく、年間を通してどのくらい残るのかを見ることが重要だと考えています。
退去は支出だけで終わるとは限らない
先ほど紹介した2026年6月分の送金明細には、現在より低い家賃条件だった物件も含まれています。
その物件では、その後の入居者募集を経て、現在は家賃と共益費を合わせて月47,000円になっています。以前は39,000円だったため、月額では8,000円の増加です。
つまり、入居者の入れ替わりではADや原状回復、設備工事などの支出が発生することがある一方、次の募集条件を見直す機会になる場合もあります。
もちろん、退去するたびに家賃を上げられるわけではありません。周辺相場、物件の状態、賃貸需要などによって募集条件は変わります。
それでも、「退去=支出が発生するから悪い」とだけ考えるのではなく、その後の募集条件まで含めて中長期で見ることも大切だと、実際の運用を通して感じています。
表面利回りより「実際にいくら残るか」を見るようになった
私が1室目を購入したとき、不動産会社の方が表面利回りと実際の収益の違いを親切に教えてくれました。
そこで、物件情報に掲載されている利回りと、実際に手元へ残るお金が違うことを知りました。それ以来、表面利回りだけを見ることはほとんどなくなりました。
物件情報に高い利回りが掲載されていても、「管理費と修繕積立金はいくらか」「管理委託費を引いたらいくら残るか」「固定資産税はいくらか」「設備が故障しても余裕があるか」まで考えます。
高い家賃が取れる物件でも固定費が高ければ手残りは少なくなります。反対に、家賃がそれほど高くなくても、購入価格と維持費とのバランスが良ければ、私にとって魅力的な物件になることがあります。
支出だけでなく、税務上の経費も考えておきたい
ここまで読むと、「区分マンションは思っていた以上にいろいろなお金がかかる」と感じるかもしれません。
確かに、実際に所有してみるとさまざまな支出があります。ただ、不動産投資では実際に出ていくお金と、税務上の所得計算は同じではありません。
その代表的なものが減価償却費です。
減価償却費は、その年に同額の現金が出ていく経費ではない
建物などの取得費は、原則として購入した年に全額を必要経費にするのではなく、税法上のルールに従って複数年に分けて減価償却費として計上します。
減価償却費の特徴は、管理費や修繕費のように、計上するたびに同額の現金を支払うものではないことです。
家賃として実際のお金が入ってきていても、税務上は家賃収入などから必要経費や減価償却費などを差し引いて不動産所得を計算します。その結果、条件によっては不動産所得が小さくなったり、所得金額がゼロ以下になったりする場合もあります。
つまり、「実際に手元へいくら残ったか」と「税務上の不動産所得はいくらか」は別の数字になることがあります。ここは、不動産投資を考えるうえで大切なポイントです。
維持費があるからといって、支出だけを怖がる必要はない
もちろん、「経費になるなら、お金を使った方が得」という意味ではありません。
必要のない修繕をしたり、維持費が極端に高い物件を購入したりしても、それだけで有利になるわけではありません。
一方で、「管理費がかかる」「固定資産税がかかる」「修繕費がかかる」という支出だけを見て、不動産投資を必要以上に怖がる必要もないと私は考えています。
見るべきなのは、実際のお金の流れであるキャッシュフローと、必要経費や減価償却費などを反映した税務上の所得の両方です。
例えば、実際には手元にお金が残っていても、減価償却費などを含めて計算した結果、税務上の不動産所得が小さくなることがあります。
反対に、キャッシュフローが良くない物件が、税務上の経費があるという理由だけで良い投資になるわけでもありません。
私はまず、実際にお金が残ることを大前提として考えています。そのうえで税務上どう扱われるのかを見る。この順番が分かりやすいと思っています。
なお、減価償却費、必要経費として認められる範囲、税額などは、建物の構造、築年数、取得価額、所有者の所得状況などによって異なります。
個別の税務判断については、税理士などの専門家へ確認してください。
維持費は購入前に確認できるものも多い
未来の支出をすべて予測することはできません。「エアコンがいつ壊れるか」「いつ退去するか」「次の原状回復にいくら必要か」まで購入時点で正確に知ることは不可能です。
しかし、
- 現在の家賃・共益費
- 管理費
- 修繕積立金
- 管理委託費
- 固定資産税の参考額
など、購入前に確認できる数字も少なくありません。
私は、分かる数字については購入前に確認して、毎月どのくらい残るのかを計算するようにしています。
予測できないものがあるからこそ、予測できるものは先に計算しておく。それだけでも、表面利回りだけを見るより実際の運用に近い姿が見えてきます。
購入候補の物件で手残りを計算してみる
このサイトでは、区分マンションの購入価格、管理費、修繕積立金、家賃、管理委託費などを入力して、手残りや投資資金の回収イメージを確認できる不動産投資シミュレーターを用意しています。
物件情報に掲載されている表面利回りだけではなく、「この物件を買ったら、毎月いくら残るのか」を確認するために使ってみてください。
シミュレーターでは主に、
- 購入価格
- 管理費
- 修繕積立金
- 月額家賃(家賃+共益費)
- 管理委託費
を使って計算します。
一方で、
- 固定資産税
- 火災保険
- 将来発生する修繕費
- 入退去費用
- 空室期間
などは計算に含めていません。
そのため、表示される金額がそのまま将来の利益になるわけではありません。複数の購入候補を同じ条件で比較するための判断材料の一つとして利用してください。
まとめ|「いくら入るか」より「最終的にいくら残るか」
区分マンション投資では、家賃収入だけでなく、管理費、修繕積立金、管理委託費、固定資産税、保険、設備修繕、入退去に伴う費用など、さまざまな支出があります。
実際に私自身の送金明細を見ても、通常時と、ADや設備工事などが発生した月では、振り込まれる金額が違います。
だからこそ私は、1か月だけを見るのではなく、年間を通した収支を考えるようにしています。
そして、1室目を購入するときに表面利回りと実際の収益の違いを教えてもらって以来、今でも一番気にしているのは、「実際に自分の手元にいくら残るのか」です。
さらに、不動産では実際のキャッシュフローと税務上の所得が一致するとは限りません。
減価償却費のように、その年に同額の現金支出を伴わなくても必要経費として計上されるものもあります。
そのため私は、「毎月いくら残るのか」「年間ではどのくらい残るのか」「税務上の所得はどうなるのか」を分けて考えています。
将来発生する費用を100%予測することはできません。それでも、購入前に分かる数字を一つずつ確認しておけば、物件情報に掲載されている表面利回りだけを見るよりも、実際の賃貸経営に近い判断ができるようになります。
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