実践者のリアル

初めて投資用不動産を購入したときに考えたこと|280万円を送金した日

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どんなベテラン大家であっても、絶対に忘れられない瞬間があります。

それが、「初めて自分の意思で、投資用不動産を購入したあの日」です。

2020年、私は280万円の中古区分マンションを無借金の現金一括で購入しました。

今でこそ5戸の物件を運用していますが、当時の私にとって280万円というキャッシュは、自営業の厳しい資金繰りの中で泥臭く守り抜いてきた「命の次に大切なお金」でした。

  • 「本当にこの物件で大丈夫なのだろうか?」
  • 「急なトラブルで、想定外の修繕費用が吹き飛んだらどうしよう…」
  • 「もし入居者が退去して、二度と埋まらなかったら…」

今回は、購入直前に頭を駆け巡ったリアルな葛藤と、その恐怖を乗り越えて送金依頼した日の記憶、そして実際に購入して分かった賃貸経営の真実をお話しします。

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1. 280万円の現金を動かす恐怖と、それを打ち消した「人の縁」

手元にまとまった資金が貯まった段階で、私はある不動産会社に足を運びました。

「手元現金をしっかり残したいので、予算感はこの範囲。希望利回りはこれくらいで、何か良い出物があれば紹介してほしい」と事前に伝えていたのです。

やがて条件に合致する物件情報が舞い込んできましたが、いざ契約が現実味を帯びてくると、凄まじいネガティブ思考が押し寄せてきました。

「この先どうなるか分からないものに、一気に280万円もの現金を突っ込んで本当に大丈夫なのか?」

不安を払拭してくれた「担当者との直感的な信頼関係」

この強烈なブレーキを外してくれたのは、物件のスペックではなく「担当者さんとの縁」でした。

担当してくれた営業マンは、偶然にも私と同い年(同級生)で、さらに同郷の出身だったのです。

初対面の時から波長が合い、お互いの感触が非常に良く、こちらの資金に対する慎重なスタンスも深く理解してくれていました。

「この人がここまで親身に探してくれた情報なら、信じてみよう」

不動産投資会社を選ぶ上で、数字のシミュレーション以上に「人間同士の直感と信頼関係」がどれほど背中を押してくれるかを、身をもって痛感した瞬間でした。

2. 人生の血肉をかけた送金、銀行にとっては「ただの日常」

自宅マンションを購入した経験があったため、手続きそのものに過度な動揺はありませんでした。

しかし、投資用物件の決済日、銀行の窓口から売主の口座へ280万円を振り込む瞬間は、独特の緊張感がありました。

「この280万円という私の血肉のお金よ、どうか私のこれからの人生を、明るい未来へと切り拓いてくれ!」

私個人にとっては、人生の後半戦を賭けた一大ドラマであり、祈るような思いで送金ボタンを押したのを今でも鮮明に覚えています。

窓口の事務的な対応に感じた「なんだ、こんなものか」

しかし、手続きを終えた銀行の窓口担当者からすれば、不動産の売買代金の決済など、朝から晩まで繰り返している日常業務の1コマに過ぎません。

何事もなかったかのように「手続き完了いたしました、控えをどうぞ」と淡々と書類を渡された時、拍子抜けすると同時に、肩の力がふっと抜けました。

「なんだ、こんな感じか」

自分の中で勝手に肥大化させていた「不動産を買うという特別な恐怖」は、社会の仕組みから見ればごく当たり前の日常的な手続きに過ぎなかったのです。

3. 買ってみて分かった「特別感のなさ」と、現金の強み

無事に決済が完了し、翌月から通帳に家賃が振り込まれるようになりました。

買う前は「どんな劇的な変化が起きるのだろう」と身構えていましたが、実際に始まってみると、毎月決まった日に事務的かつ機械的に淡々と家賃が振り込まれてくるだけです。

投資を始める前に頭の中で膨らんでいたドラマチックな特別感は、拍子抜けするほど皆無でした。

しかし、この「淡々と自動で入ってくる仕組み」こそが、精神的な安定をもたらす賃貸経営の本質でした。

最初は月2.3万円。今では手取り「28,565円」へ成長

この1戸目の物件は、これまでに何度か入居者さんの退去と再募集を繰り返してきました。

その都度、内装を整え、地域の家賃相場を見極めながら少しずつ募集賃料を引き上げていった結果、最初の手残り23,840円から、現在では毎月「28,565円」の純利益を口座に残してくれるまでに育ちました。

現金購入だからこそ打てた「広告費(AD)2ヶ月」の即断

もちろん、すべてが順風満帆だったわけではありません。

時期やタイミングによっては、客付けに苦戦しそうな局面もありました。

その際、仲介業者から「入居促進費(広告料/AD)を2ヶ月分に設定すれば、すぐに客付けを決められます」と提案されたことがありました。

家賃2ヶ月分を業者に支払うのは痛い出費ですが、私は迷わず「入居が決まるなら喜んで2ヶ月分払おう」と即決できました。

これがもし、毎月の銀行返済に追われているフルローンの状態ならどうでしょうか?

手元資金がカツカツだと、広告料の数十万円を支払うのを躊躇して募集条件を渋り、結果として数ヶ月間も空室が続いて返済で持ち出しになる…という最悪の負のループに陥りがちです。

「無借金の現金購入で、手元資金にも十分な余力がある」という盤石な土台があったからこそ、目の前の必要経費を即座に割り切って投じ、最小限のダウンタイムで満室に戻すことができたのです。

まとめ:最初の一歩の恐怖は、誰もが通る通過点

最初の物件を買う前、ネガティブな不安に押しつぶされそうになるのは、あなただけではありません。

私自身も、激しい葛藤と恐怖の中で最初の280万円を動かしました。

  1. 恐怖を和らげるのは、信頼できる担当者との対話と直感
  2. 実際に買ってみれば、想像していた恐怖の9割は杞憂に終わる
  3. 手元現金を残して無理のないスタートを切れば、どんなトラブルも冷静に対処できる

一度その壁を乗り越えて口座に最初の家賃が振り込まれた瞬間、景色は一気に変わります。

手元資金の安全枠をしっかり守りながら、ぜひ恐れずに最初の一歩を踏み出してみてください。

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