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不動産投資を始めようと調べると、必ず「一棟アパート・マンション」「戸建て」「区分マンション(ワンルーム等)」という選択肢に出くわします。
投資本などでは「区分は規模が拡大しにくい」「利回りが低い」と否定的に書かれることも少なくありません。
しかし、私は2020年からスタートし、現在運用している5戸すべてを「中古の区分マンション(現金購入)」で揃えてきました。
実際に区分マンションを複数所有して賃貸経営を続けてきた今、「区分だからこそ助かった絶大なメリット」と、「区分ならではの痛烈なデメリット」の両方を骨の髄まで実感しています。
今回は、教科書的な解説ではなく、現役大家の生々しい実体験をもとに「区分のリアル」を本音でお話しします。
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1. 大家になって実感した「区分マンション」の3大メリット
私が一棟ものではなく区分マンションを選び、買い増してきた最大の理由は以下の3点です。
① 投資額が手頃で、現金買いでも即決しやすい
1棟アパートやマンションを買おうとすると、数千万円から億単位の莫大な資金が必要になります。
これでは銀行のフルローンに頼らざるを得ず、多額の借金リスクを背負い込むことになります。
一方、中古の区分マンションであれば、数百万円単位の手元資金で購入可能です。
私のように「無借金・現金一括」を基本スタイルにする投資家にとって、「自分の預金の範囲内で、優良な出物があれば即決できる手軽さ」は最大の武器になります。
② 万が一の「事故リスク」を分散できる
不動産を持つ上で誰もが恐れるのが「入居者の孤独死や室内での事故」です。
もし1棟アパートを所有していて、その中の1室で重大な事故が発生した場合どうなるでしょうか?
建物全体が「事故物件」としてのレッテルを貼られ、他の部屋まで一気に退去が連鎖したり、入居率が激減して物件自体の資産価値が何千万円単位で暴落する危険があります。
しかし、区分マンションを別々の地域・建物で複数分散して持っていれば、仮に1室で最悪のトラブルが起きても、他の物件には何の影響も及びません。この「リスクの切り離しやすさ」は、精神的な安心感に直結します。
③ 好立地を狙いやすく、中長期の安定入居が期待できる
戸建てや一棟アパートに比べ、区分マンションは「駅近」「中心街」といった利便性の高い好立地を狙いやすいのが強みです。
立地が良い部屋は需要が途切れません。
実際に私が所有している物件の中には、前のオーナーさんの所有期間を含めると「15年間」もずっと住み続けてくれている入居者さんがいます。
この部屋は、人口約20万人の県庁所在地にある最寄り駅から徒歩10分という好立地です。一度生活の拠点として気に入ってもらえれば、中長期にわたって極めて安定した家賃を届けてくれます。
2. 実際に所有して痛感した「区分のリアルなデメリット」
もちろん、区分マンションが良いことばかりではありません。
特に身にしみたのは、「自分の力だけではコントロールできない突発費用」です。
緊急修繕で「家賃2.5ヶ月分」が一発で吹き飛んだ日
区分マンションでは、毎月「管理費」と「修繕積立金」が口座から自動的に引き落とされます。
しかし、それだけで共用部のトラブルがすべて賄えるわけではありません。
私の所有物件で、「共用部の天井が古くなり、危険なため修繕が必要になった」ことがありました。
積立修繕費の残高だけでは足りず、管理組合からの要請で「緊急工事費用」として各オーナーに臨時徴収が発生したのです。
その額、実に「家賃収入の2.5ヶ月分」が一発で吹き飛ぶ金額でした。
一棟アパートであれば「いつ直すか、どの業者に頼むか」を自分で決められますが、区分マンションは管理組合の決議に従わざるを得ません。
不動産投資における「数百円」の重み
金額の大小以上に、「手残りの収益に対する支出の割合の大きさ」は精神的に結構応えます。
不動産投資を始めると、わずか数百円の変動で利回りが大きく変化することに敏感になります。
例えば、実質利回り5%で運用できていた部屋が、管理費のわずかな値上げや想定外の出費によって、あっさりと4%台へ落ち込んでしまうことも珍しくありません。
「2,000円」と「1,980円」の差を想像してみてください。たった20円の差なのに、1,980円の方がずっとお得に見えるはずです。
不動産の利回りはその逆で、「わずか数百円のコスト増で、5%の大台を割って4%台に転落する」というシビアな現実があります。毎月の固定コストを甘く見てはいけません。
管理費や修繕積立金が手残りにどのくらい影響するのかは、実際に数字を入れて比較すると分かりやすくなります。
3. 区分マンション投資はどんな人に向いているか?
これらの光と影を踏まえた上で、私が考える「区分投資に向いている人」の基準は明確です。
① 数百万円の「使っていない寝かせたお金」がある人
もし銀行の普通預金に、直近で使う予定のない数百万円単位の貯金が眠っているなら、今すぐ動かすべきです。
今の時代、銀行にお金を寝かせていても年間の利息収入なんてスズメの涙です。
しかし、それを堅実な区分マンションという現物資産に置き換えるだけで、翌月から毎月数万円の純現金(家賃手残り)がチャリンと口座に振り込まれ始めます。この差は年数を重ねるほど決定的な開きになります。
② リスクを最小限に抑えたい「慎重派」の人
私のように心配性で、日々の心の平穏を何よりも重視したい人には、区分マンションが最適です。
- 現金買いの場合: 突発的な修繕や空室があっても、銀行返済がないため生活の傷みは最小限で済む
- ローンを使う場合でも: 1棟アパートに比べて借入額が圧倒的に小さいため、毎月の返済負担や空室時の持ち出しリスクを低く抑えられる
最初から一気に大きな借金を背負って勝負に出るのではなく、「まずは手堅く1戸を経験し、リスクを肌身で知る」というステップアップを踏む上で、区分マンション以上の選択肢はありません。
まとめ:等身大のサイズで「負けない投資」を始めよう
区分マンション投資は、決して一夜にして大金持ちになれる派手な手法ではありません。
- 手頃な資金で始められ、事故物件リスクを分散できる
- 好立地を選べば、10年・15年と続く長期入居が期待できる
- ただし、管理費・積立金の値上げや突発的な臨時徴収には備えておく
- 銀行で眠る死に金を、毎月数万円の生きた果実(家賃)に変える
数百万円の余力資金があるなら、漠然とした将来不安を抱えたまま口座に現金を放置するのではなく、小さく手堅く「最初の1部屋」を動かしてみる。
この現実的なアプローチこそが、40代・50代からの資産形成を最も安全に進める土台になります。