不動産投資で1室目を購入したあと、次に考えるのが「いつ2室目を買うか」ではないでしょうか。
良さそうな物件を見つければ、すぐにでも買い増したくなるかもしれません。
しかし、物件を買えるだけのお金があることと、そのお金を今使っていいことは別だと私は考えています。
私は2020年に280万円の中古区分マンションを購入して不動産投資を始め、その後少しずつ買い増し、現在は中古区分マンションを5室所有しています。
基本的には現金で購入してきましたが、「○年に1室」といった買い増しのペースを決めていたわけではありません。
私が見ているのは、物件そのものの条件だけではなく、その物件を購入したあと、自分の手元にどれだけ現金が残るのか。
そして、使った現金をどのくらいのペースで再び積み上げられるのか。という点です。
この記事では、実際に5室まで買い増してきた私が、次の物件を購入するタイミングと手元資金についてどのように考えているのか紹介します。
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この記事でわかる結論
私の場合、「手元現金が○万円になったら必ず買う」という絶対的なルールはありません。
これまでは手元現金が1,000〜1,200万円程度まで増えた段階で、400〜500万円程度の中古区分マンションを購入することが多くありました。
その理由は、購入後にも最低500万円台後半程度の現金を残しておきたいからです。
ただし、この金額も絶対的な正解ではありません。
年齢、家族構成、仕事、毎月の収入、所有物件から得られるキャッシュフロー、そして現金が再び貯まるペースによって、「使っていいお金」は変わると考えています。
私にとっての買い時は、「良い物件が見つかったとき」だけではなく、「良い物件が見つかり、自分自身も買える状態になっているとき」です。
1室目は「300万円前後」で探していた
私が最初の中古区分マンションを探していたときは、仲介会社に、「諸経費込みで300万円前後の物件があれば紹介してほしい」と伝えていました。
その結果、2020年に280万円の中古区分マンションを購入しました。
1室目を購入する前なので、当然ながら不動産から得られるキャッシュフローもありません。
まずは自分が用意できる資金の範囲で、実際に不動産投資を始めてみることが大きな目的でした。
しかし、2室目以降は少し考え方が変わりました。
2室目以降は1,000〜1,200万円程度まで現金を貯めてきた
2室目以降については、手元現金がある程度まで増えてから次の物件を購入するようになりました。
一つの目安としてきたのが、手元現金1,000〜1,200万円程度です。
そこまで現金が増えた段階で、条件に合う400〜500万円程度の中古区分マンションがあれば購入を検討する。
購入すると手元現金は減ります。
そこから給与、自営業の利益、不動産の家賃収入などで再び現金を積み上げ、次の購入機会を待つ。
私はこのような形で少しずつ所有物件を増やしてきました。
ただし、「1,000万円」という数字自体に特別な意味があるわけではありません。
重要なのは買ったあとにいくら残るかです。
購入後も500万円台後半程度は残しておきたい
私の場合、物件を購入したあとも、最低500万円台後半程度の現金は残しておきたいと考えています。
不動産投資だけをしているのであれば、必要な現金はもう少し少なくてもいいのかもしれません。
しかし、私は会社員であると同時に自営業も続けています。
自営業では仕入先への支払いがあります。
それ以外にも、人生には予定していなかった支出が発生します。
冠婚葬祭、急な病気、大きな買い物。
不動産でも修繕や空室などが発生する可能性があります。
こうしたものが重なったとしても、すぐにお金の心配をしなくて済む状態を残しておきたい。
もちろん、心理的な余裕という意味もあります。
そのため私は、「あと500万円あるから500万円の物件を買える」とは考えていません。
「買える金額」と「使っていい金額」は違う
これは不動産投資をするときに、かなり重要なことだと思っています。
たとえば500万円の現金を持っている人が、400万円の中古区分マンションを見つけたとします。
現金だけを見れば買えます。
しかし購入後に残るのは100万円です。
その100万円で問題ないかどうかは、人によってまったく違います。
私は現在の年齢になり、家族もいます。自営業もあります。
守るべきものが増えている今の私にとって、「買える物件価格」と「今使っていいお金」は違います。
不動産投資に興味を持つ人の中には、私と同じように「もっと大きなリスクを取って一気に増やしたい」というより、安定した生活の土台をさらに強くしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
そうであれば、物件価格だけを見るのではなく、購入後の生活まで含めて考える必要があります。
ただし、誰でも500万円以上残すべきとは思わない
一方で、私の基準をそのまま他の人に当てはめるつもりもありません。
仮に20代の独身で500万円の現金を持っている人なら、400万円の物件を購入するという選択もあり得ると思います。
たとえば親と同居していて、生活費を抑えられる環境にいる人もいるでしょう。
「いつまで親に甘えているんだ」という意見もあるかもしれません。
しかし私は、自分が置かれている環境を将来のために上手に活用することも、一つの戦略だと思っています。
ただし、その環境を当然だとは思わないことです。
自分の利益だけを追いかけるのではなく、自分を支えてくれている家族や環境にもきちんと気持ちを向ける。
身近な人や自分を支えている環境への配慮すらできない状態で、投資というさまざまな判断を上手に続けていくのは難しいのではないかと私は思います。
大切なのは、「いくら残せば正解か」ではなく、「自分の場合はいくら残しておく必要があるのか」を考えることです。
手元700万円でも300万円の物件なら買う可能性はある
ここまで読むと、「では手元現金が1,000万円になるまでは絶対に買わないのか?」と思うかもしれません。
そういうわけでもありません。
たとえば手元現金が700万円のときに、条件がかなり良い300万円の物件が出てきたとします。
その場合、私は購入する可能性があります。
ただし300万円をすべて現金で支払うのではなく、たとえば現金200万円+融資100万円といった方法が使えるのであれば、そうした購入方法も選択肢として検討すると思います。
私はこれまで現金購入を中心に不動産を増やしてきましたが、現金一括購入そのものが目的ではありません。
それよりも、購入後の手元流動性をどれだけ残せるかの方が重要です。
現金購入とローンについての考え方は、別の記事でも詳しく紹介しています。
👉 不動産投資は現金とローンどちらがいい?実際に現金で5室購入した大家の考え方
同じ400万円でも「買えるとき」と「買わないとき」がある
買い増しの判断は、手元現金の金額だけでも決まりません。
たとえば手元現金1,200万円のときに、条件の良い400万円の物件が2件続けて出てきたとします。
2件とも買えば800万円です。
計算上は購入できます。
しかし私なら、2件とも欲しいと思ったとしても、おそらく1件だけ購入します。
1件購入すれば手元現金は800万円。
さらにもう1件買えば400万円です。
そこまで一気に現金を減らすことは、現在の私なら避けると思います。
一方で、最初から手元現金800万円の状態で400万円の物件が出てきた場合は、買う可能性があります。
一見すると矛盾しているように見えるかもしれません。
でも私が見ているのは、残高だけではないからです。
前回の購入からどれだけ時間が経ったかも見る
たとえば1件購入したわずか1か月後に次の物件が出てきたら、条件が良くても見送る可能性があります。
しかし、それが半年後なら購入するかもしれません。
半年の間には、給与、自営業の利益、既存物件からの家賃収入などが入ってきます。
つまり私は、現在の手元現金だけではなく、毎月どのくらいのペースで不動産購入資金が回復しているのかも見ています。
同じ400万円を残すとしても、「ここからしばらく現金が増えそうにない400万円」と、「毎月安定して積み上がっていて、近いうちに500万円、600万円へ戻っていく400万円」では、私の中では意味が違います。
言い換えると、手元現金の残高という静止画だけではなく、資金が増えていく速度まで含めて判断するということです。
5室になれば資金が戻る速度も変わってくる
物件を買い増すと、リスクだけが増えるわけではありません。
順調に賃貸運営できていれば、毎月入ってくるキャッシュフローも増えていきます。
私自身、1室目しか持っていなかった頃と、5室所有している現在では、不動産から毎月入ってくる手残りが違います。
そのため、今後さらに所有物件が増えて毎月のキャッシュフローが大きくなれば、「1,000〜1,200万円まで貯めてから買う」
という現在の基準も少しずつ変わっていく可能性があります。
一方で、所有物件が増えれば、複数の部屋で修繕や空室などが重なる可能性もあります。
だから私は、単純に「家賃収入が増えたから手元現金を減らしても大丈夫」とは考えていません。
収入が増える力と、所有物件が増えることで発生するリスクの両方を見ながら調整していく。
これが現時点での考えです。
悩んでいる時点で、その物件には魅力がある
物件を見ていて、「買うべきか、見送るべきか」と悩むことがあります。
私の持論ですが、悩んでいるということは、少なからずその物件に魅力があるということだと思っています。
まったく魅力を感じない物件なら、そもそも悩みません。
だからこそ難しい。
物件としては欲しい。
でも、今の手元資金を考えると買わない方がいいかもしれない。
そんなときもあります。
実際、私は別の支出との兼ね合いから物件購入を見送り、確実性の高い返済を優先したこともあります。
「買わなかった物件が、その後どうなったのか」
それは分かりません。
良い物件を逃しても「縁がなかった」と考える
もちろん、良い物件を逃せば、「せっかく良い物件だったのにもったいなかった」と思います。
でも同時に、「良い物件はまた出てくる。自分が買える状態ではないときに出た物件は縁がなかった」と納得すると思います。
不動産投資にタラレバはありません。
「あの物件を買っていれば……」
「あのとき売っていれば……」
と考えることはできます。
しかし実際には、自分が投資し、自分で運用した結果がすべてです。
一つの物件を見送ったことで、物件を積み増すアクセルが少し緩むこともあるでしょう。
しかし、使わなかったお金を別のことに使うこともできます。
そのお金が次の物件につながるかもしれません。
別の事業につながるかもしれません。
家族や自分のために使うかもしれません。
すべてを完璧にコントロールすることはできません。
だから私は、むやみに流されるよりも、自分で流される方向に進めるよう、わずかでもコントロールする。
それくらいでいいと思っています。
私にとっての買い時は「物件」と「自分」の条件が揃ったとき
不動産投資では、「良い物件が出たらすぐ買えるように準備しておくことが大切」と言われます。
私もそれは大切だと思います。
しかし、良い物件だからといって、自分の資金状況を無視してまで買う必要はないと思っています。
これまで5室まで増やしてきて、私が買い増しで見ているのは、
- 購入前の手元現金
- 購入後に残る現金
- 毎月どのくらい現金を積み上げられるか
- 既存物件から得られるキャッシュフロー
- 前回の購入からどのくらい時間が経っているか
- 自営業や家庭を含め、今後大きな支出がありそうか
- それでも欲しいと思える物件なのか
といった要素です。
だから、私にとっての買い時を一言で表すなら、
「良い物件が出たとき」ではなく、「良い物件が出て、自分自身も買える状態になっているとき」なのだと思います。
現在は1,000〜1,200万円程度まで手元現金を積み上げ、そこから予算内の物件を購入することが一つの目安になっています。
しかし、これから所有物件やキャッシュフローが増えれば、この基準も変わるかもしれません。
大切なのは、私の「1,000万円」や「500万円台後半」という数字をそのまま真似することではありません。
自分には何があり、何を守る必要があり、いくらなら使っても余裕を残せるのか。
そこから自分自身の買い増し基準を作ることが大切だと考えています。
あわせて読みたい実践記事
買い増しのタイミングを考えるときは、「現金で買うかローンを使うか」「購入後にどれだけ現金を残すか」も重要になります。
今回の記事とあわせて、私が実際に5室を購入してきた資金管理についても参考にしてください。
👉 不動産投資は現金とローンどちらがいい?実際に現金で5室購入した大家の考え方
