中古区分マンションを探していると、「オーナーチェンジ物件」を目にすることがあります。
すでに入居者がいるため、「購入した直後から家賃が入る」「入居者募集をしなくていい」という点に魅力を感じる方も多いと思います。
私がこれまで購入した中古区分マンション5室も、すべてオーナーチェンジとして売り出されていた物件です。
そのうち4室は入居中の状態で引き渡しを受け、1室は購入までの間に入居者が退去しました。
オーナーチェンジ物件は、実際に家賃を支払って住んでいる人がいる状態で検討できるため、私は中古区分マンション投資と相性の良い購入方法だと考えています。
一方で、「現在入居者がいるから安心」とまでは考えていません。
私が見るのは、現在の家賃収入だけではありません。
その入居者が退去した後も、その物件で賃貸経営を続けられるのか。
ここまで考えて購入を判断しています。
この記事では、現在5室を所有する私が、オーナーチェンジ物件を買う前に確認しているポイントを実体験を交えて紹介します。
この記事でわかること
- オーナーチェンジ物件とは何か
- 購入直後から家賃が入るメリット
- 購入前に確認している賃貸借契約の内容
- 現在家賃と周辺相場を比較する理由
- 入居中で室内を確認できないことをどう考えるか
- 実際に退去を経験して分かったこと
- 購入時39,000円だった物件が退去後47,000円になった実例
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オーナーチェンジ物件とは?
オーナーチェンジ物件とは、入居者との賃貸借契約を維持したまま、物件の所有者だけが変わる物件です。
購入者は新しい所有者となり、原則としてそれまでの賃貸借関係を引き継ぎます。
一般的な空室物件の場合、
物件購入
↓
必要に応じてリフォーム・原状回復
↓
入居者募集
↓
賃貸借契約
↓
家賃収入発生
という流れになります。
一方、入居中のオーナーチェンジ物件なら、購入時点ですでに賃貸借契約があります。
そのため、引き渡し後から家賃収入が発生することが大きな特徴です。
私が購入した5室はすべてオーナーチェンジ物件だった
私は現在、中古区分マンションを5室所有しています。
購入時はいずれもオーナーチェンジとして売り出されていました。
そのうち4室は入居者がいる状態で購入し、1室については購入までの間に退去が発生しました。
私がオーナーチェンジ物件に魅力を感じる理由は、大きく2つあります。
購入後すぐに家賃収入を見込めること。
そして、実際にその物件に賃貸需要がある状態で検討できることです。
例えば月4万円の家賃を支払って実際に住んでいる人がいれば、「月4万円で借りる人が少なくとも現在はいる」という事実を確認できます。
これは投資物件を判断するうえで有益な情報だと考えています。
ただし、ここには注意点もあります。
今の入居者が、ずっと住み続けてくれる保証はありません。
だから私は、現在の家賃だけではなく、退去後についても考えます。
オーナーチェンジ物件を買う前に私が確認すること
① 現在の家賃と共益費
最初に確認するのは、当然ながら現在の家賃です。
私は、家賃はいくらかだけではなく、家賃本体と共益費がそれぞれいくらなのかまで確認します。
これは物件の収益性を計算するための基本情報です。
ただし、現在の家賃だけを見て、「この家賃が将来もずっと続く」とは考えません。
重要なのは、その家賃が現在の周辺相場から見ても妥当なのかということです。
② 現在家賃と周辺の家賃相場を比較する
私はオーナーチェンジ物件を見るとき、現在の家賃と周辺の家賃相場を比較します。
特に気をつけたいのが、周辺相場と比べて現在家賃が不自然に高くないかです。
例えば周辺の同程度の部屋が4万円前後なのに、検討している部屋だけ5万円で賃貸されているとします。
現在の5万円を使って利回りを計算すれば、当然ながら物件の収益性は高く見えます。
しかし、その入居者が退去した後も5万円で次の入居者が決まるとは限りません。
また、不動産取引では、売却時に収益性が高く見えるような特殊な賃貸条件が設定されている可能性も完全には否定できません。
そのため私は、現在の家賃だけを前提に利回りを判断せず、同じマンションや周辺物件の家賃相場も確認するようにしています。
反対に、現在の家賃が相場より安い場合は見方が変わります。
退去後の募集条件を見直すことで、家賃を現在の市場に合わせられる可能性があるからです。
実際に私は、このケースを経験しました。
後ほど実例を紹介します。
③ 入居者が何年住んでいるのか
私が確認するもう一つの項目が、現在までの入居期間です。
入居期間が長ければ、「この部屋を気に入っているのかもしれない」「今後も継続して住んでもらえるかもしれない」という一つの材料になります。
ただし、私は入居期間だけで判断しません。
例えば同じ「5年間入居」でも、20代の入居者と40代の入居者では、その後の住み替えの可能性について違った仮説を立てることがあります。
もちろん、40代だから長く住む、20代だから退去するという意味ではありません。
転勤、結婚、家族構成、住宅購入など、住み替えの事情は人それぞれです。
あくまで私は、法令や取引上適切に提供される範囲の情報について、今後の賃貸借がどの程度継続しそうかを考える材料の一つとして見ています。
年齢や職業などの属性だけで入居者個人を評価するためではありません。
④ 保証会社や連帯保証人の有無
家賃滞納についても確認します。
ただし私の場合、過去に滞納があったかどうかだけを、購入する・しないの決定的な判断基準にはしていません。
それよりも、家賃保証会社へ加入しているか、連帯保証人が設定されているかなどを確認します。
オーナーチェンジ物件では、現在の入居者について確認できる範囲の情報を仲介会社を通して確認します。入居期間や家賃の支払い状況だけでなく、保証会社や連帯保証人の有無など、その賃貸借契約をそのまま引き継いでも問題なさそうかという視点で見るようにしています。
私がこれまで購入した物件については、家賃保証会社や連帯保証人による保証がありました。
もちろん、保証があるから家賃に関するリスクが完全になくなるわけではありません。保証内容や契約条件も異なるため、賃貸借契約の内容とあわせて確認するようにしています。
⑤ 敷金や賃貸借契約の内容
オーナーチェンジでは、物件だけを見るのではなく、現在の賃貸借契約についても確認します。
私が主に見るのは、
- 家賃
- 共益費
- 敷金
- 現在までの契約期間
- 保証会社
- 入居者について適切に提供される情報
などです。
オーナーチェンジは、単に「入居者付きの部屋を買う」というより、現在存在している賃貸借関係も引き継ぐ
という視点で見ることが大切だと考えています。
⑥ 入居中は室内を確認できないことを理解しておく
オーナーチェンジ物件の大きな特徴の一つが、入居者が住んでいるため、購入前に室内を自由に確認できないことです。
これは不安に感じる人もいると思います。
私自身は、それだけを大きなマイナスとは考えていません。
確認できないものを想像しても、実際の室内状態は分からないからです。
その代わり、
- 物件資料
- 間取り
- 設備に関する情報
- 建物の状態
- 共用部分
- 賃貸借契約
- これまでの入居状況
- 仲介会社や管理会社などから得られる情報
といった、購入前に確認できる客観的な情報を積み重ねて判断します。
そして実際に退去が発生したら、その時点で初めて室内を確認します。
⑦ 室内を見られない以上、退去後に判断すればいいこともある
私はオーナーチェンジ物件について、「室内が見られないから怖い」と考えすぎないようにしています。
実際に退去したら室内を確認し、その状態に応じて必要な原状回復を考えればいいからです。
破損や汚損があれば、どこまで修繕するのか、貸主側の負担なのか、借主側の負担となる部分があるのか、などを契約内容や実際の状態を踏まえて整理します。
そのうえで、次の入居者募集に必要な状態へ整えていきます。
購入前には確認できないことに考えを振り回されるより、確認できる情報で購入を判断し、退去後に確認できることは、その時点で最適な対応をする。
私はこのように考えています。
⑧ ただし「外から見えない室内リスク」はある
室内を見られないことを過度に恐れる必要はないと考える一方、リスクがないわけではありません。
例えば、いわゆる「汚部屋」のような状態です。
大量のゴミを室内に置いた状態で長期間生活すれば、通常の使用よりも内装や設備などの劣化が進む可能性があります。
特に難しいと感じるのは、外からは普通に生活しているように見えても、室内だけが著しく荒れているケースです。
こうした状態は、購入前の外観や共用部分の確認だけでは分からない可能性があります。
オーナーチェンジ物件では、入居中のため室内を確認できないことがあります。
そのため、退去後にクロスや床、設備などの原状回復費が想定以上にかかる可能性も考えておきます。
一方で、室内を見ることができなくても、エントランスや廊下、ゴミ置き場、駐輪場などの共用部分は確認できます。
私はこうした部分から、マンション全体がどの程度管理されているかも見るようにしています。
現在入居者がいるから安心と考えるのではなく、退去したときに「いくらかかりそうか」「次はいくらで貸せそうか」まで想定して購入判断することが大切です。
「今の入居者が退去した後」まで考えて購入する
ここまでが購入時の確認項目です。
しかし私がオーナーチェンジ物件を見るとき、最も大切だと考えているのはここからです。
今の入居者が退去した後も、次の入居者が決まりそうか。
現在入居者がいることは、その物件に賃貸需要がある一つの事実です。
しかし、現在の入居者一人だけを見て物件を購入すると、その人が退去した途端に前提が崩れてしまいます。
そこで私は、
- 周辺に賃貸需要があるか
- 現在家賃は相場と合っているか
- スーパーやコンビニなど生活環境はどうか
- 駅やバス停などの交通手段はどうか
- 通勤しやすい場所か
- 次の入居者にも選ばれそうな物件か
といった点も見ます。
つまり、「現在入居者がいるか」ではなく、「これからも誰かに借りてもらえるか」を見るということです。
実際にオーナーチェンジ物件で退去を経験して分かったこと
私は所有物件で実際に退去と再募集を経験しています。
その中でも印象に残っているのが、2025年5月に購入した区分マンションです。
購入時の家賃は39,000円だった
この物件は、購入時の家賃が月額39,000円でした。
しかし購入を検討したとき、同じマンション内の別の部屋では、それより高い家賃で賃貸されている事例を確認していました。
そのため私は、「現在の39,000円が、この部屋の家賃上限ではない可能性がある」と考えていました。
もちろん、入居中の方に退去してもらって家賃を上げようと考えたわけではありません。
そのまま入居してもらえるなら、家賃収入を受け取りながら所有を続けます。
そして将来、自然に退去が発生したときに、その時点の市場を見て募集条件を考えればいい。
そのくらいの考えでした。
2026年7月に退去、翌月には新しい入居者が決まった
その後、2026年7月に退去が発生しました。
そこで室内を確認すると、クロスの剥がれ、引き戸の一部破損などがありました。
室内が完全にきれいな状態だったわけではありません。
それでも、その状態を踏まえて募集を行いました。
そして2026年8月末、新しい入居者が決まりました。
新しい賃料条件は、家賃45,000円+共益費2,000円=月額47,000円です。
購入時は39,000円でしたから、39,000円 → 47,000円となりました。
月額では8,000円。
単純に12か月換算すると、年間96,000円の収入増です。
もちろん、今回と同じようにすべての物件で家賃を上げられるわけではありません。
また、退去に伴う原状回復や募集などの費用もあるため、年間96,000円がそのまま利益増になるという意味でもありません。
それでも私にとっては、オーナーチェンジ物件を見る考え方に影響した経験でした。
「きれいな部屋」が必ず最優先で選ばれるわけではないと感じた
この退去と再募集でもう一つ感じたことがあります。
それは、入居者が部屋を決めるとき、「室内がきれいであること」だけが常に最優先されるわけではないということです。
この物件では、クロスの剥がれや引き戸の一部破損などがある状態でも、新しい入居者が決まりました。
もちろん、室内がきれいであることは大切です。
同じ条件なら、きれいな部屋の方が選ばれやすいこともあるでしょう。
しかし実際の部屋選びでは、
- 家賃
- 立地
- 周辺環境
- 職場までのアクセス
- 交通の利便性
- 間取り
など、さまざまな条件を組み合わせて入居者が判断します。
今回の経験から私は、「とにかく室内を新品のようにすれば入居者が決まる」と単純に考える必要はないと感じました。
その物件を選ぶ人が何を重視するのかを考えながら、どこまで原状回復するのかを判断する。
これも賃貸経営では重要なのではないかと思っています。
オーナーチェンジ物件では「家賃が安い」ことがプラスになる場合もある
購入時の家賃が相場より低い物件を、「家賃が安いから収益性が低い」だけで判断する必要はないと私は考えています。
大切なのは、なぜ現在の家賃が安いのかです。
長期間入居していて、現在の市場家賃より低い条件がそのまま続いているケースもあります。
その場合、現在の入居者が自然に退去した後、新しい入居者を募集するときに、その時点の市場に合わせて家賃を設定できる可能性があります。
私の物件では実際に、購入時39,000円 → 退去後47,000円となりました。
一方、購入時の家賃が相場より不自然に高ければ、私は逆に慎重になります。
つまり、高い家賃=良い、安い家賃=悪い、ではありません。
重要なのは、今の入居者が退去した後、この部屋はいくらなら次の入居者が決まりそうか。だと思っています。
オーナーチェンジ物件の利回りは「現在家賃」だけで計算しない
ここは特に注意したいところです。
例えば500万円の物件が月5万円で賃貸されていれば、年間家賃は60万円。
表面利回りは、60万円 ÷ 500万円 × 100=12%です。
しかし周辺相場が4万円ならどうでしょう。
現在の入居者が退去し、次回4万円でしか決まらなければ、年間家賃は48万円。
表面利回りは、48万円 ÷ 500万円 × 100=9.6%になります。
購入時には12%に見えていた物件が、次の入居者では9.6%相当になる可能性があるわけです。
さらに実際には、管理費、修繕積立金、管理委託費などもかかります。
だから私は、オーナーチェンジ物件を見るとき、現在家賃での収支だけではなく、周辺相場に置き換えた場合の収支も考えるようにしています。
表面利回りと実際の手残りの違いについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
👉 不動産投資の表面利回りと実質利回りの違い|大家が重視するのは毎月の手残り
オーナーチェンジ物件は「入居中だから安心」ではない
私はオーナーチェンジ物件そのものを怖いものだとは考えていません。
むしろ、購入後すぐに家賃収入を見込める実際に賃貸需要がある状態で購入を検討できるという点は、大きなメリットだと思っています。
一方で、「入居者がいる=安心できる物件」でもありません。
現在の入居者が退去する可能性はあります。
退去後に室内の問題が見つかる可能性もあります。
現在の家賃では次の入居者が決まらない可能性もあります。
だからこそ私は、今の入居者を見るだけではなく、その人が退去した後の物件を見るという意識を持つようにしています。
購入前に「次の入居者」を想像してみる
オーナーチェンジ物件を検討するとき、私なら次のように考えます。
現在の家賃はいくらか。
↓
その家賃は周辺相場と合っているか。
↓
現在の入居者はどのくらい住んでいるか。
↓
保証会社や連帯保証人はどうなっているか。
↓
もし明日退去したら、いくらで募集できそうか。
↓
その家賃でも、自分が必要とする手残りを確保できるか。
ここまで考えて、それでも購入したいと思えるかどうかです。
私は、これがオーナーチェンジ物件を見るうえで大切だと考えています。
気になる物件は「退去後の家賃」でも計算してみる
オーナーチェンジ物件を検討しているなら、現在家賃だけでなく、周辺相場に近い家賃へ数字を変更して収支を計算してみるのも一つの方法です。
例えば現在家賃が50,000円なら、50,000円だけで計算するのではなく、45,000円なら?40,000円なら?と条件を変えてみます。
それでも自分が納得できる手残りが確保できるなら、購入判断の材料になります。
当サイトでは、購入価格、家賃、管理費、修繕積立金などを入力して、利回りや手残り、資金回収の目安を確認できるシミュレーターを公開しています。
オーナーチェンジ物件を検討している方は、現在家賃と退去後に想定する家賃の両方を入れて比較してみてください。
まとめ|オーナーチェンジは「今」ではなく退去後まで見る
私がこれまで購入した中古区分マンション5室は、すべてオーナーチェンジとして売り出されていた物件です。
その経験から、オーナーチェンジ物件には、購入後すぐに家賃収入を見込める実際に入居者がいる状態で賃貸需要を確認できるというメリットがあると感じています。
一方で、現在の入居者や現在家賃だけで判断するのは慎重になった方がいいと思っています。
私が購入前に確認するのは、
- 家賃・共益費
- 敷金
- 入居期間
- 保証会社・連帯保証人
- 適切に提供される範囲での入居者情報
- 現在家賃と周辺相場の差
などです。
そして最後に考えるのが、「この入居者が退去しても、この物件を所有し続けたいか」です。
実際に私が所有する物件では、購入時39,000円だった家賃が、退去後の募集によって47,000円になりました。
退去は賃貸経営にとってリスクの一つです。
しかし、現在家賃が相場より低ければ、市場に合わせて募集条件を見直す機会になる場合もあります。
だから私は、オーナーチェンジ物件を、「今、家賃が入っている物件」としてだけではなく、「今の入居者が退去した後も賃貸経営を続けられる物件か」という視点で見るようにしています。
これが、現在5室を所有する私がオーナーチェンジ物件を検討するときの基本的な考え方です。
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