実践者のリアル

賃貸マンションの退去費用はいくら?大家が実際の負担額を公開

中古区分マンションを購入して賃貸経営を始めると、毎月の家賃収入に目が向きがちです。

しかし、実際に大家を続けていると、避けて通れないのが入居者の退去に伴う費用です。

「入居者が退去すると、大家はいくら負担するのか?」

「原状回復費やクリーニング代は誰が支払うのか?」

「次の入居者が決まるまでに、どのくらい収入が減るのか?」

私は中古区分マンション5室をすべて現金で購入し、賃貸経営しています。これまでに経験した退去は、およそ4〜5回です。

今回は、実際に支払った広告料や設備交換費、最長約1.5か月の空室経験をもとに、退去1回が大家の収支に与える影響を紹介します。

なお、この記事では実際の支出と、条件を設定した試算を明確に分けています。

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退去1回で大家が負担する費用とは?まず結論

私がこれまで経験した退去について、主なポイントをまとめます。

  • 中古区分マンション5室で、これまで約4〜5回の退去を経験
  • 再募集時の広告料(AD)は毎回家賃1か月分
  • 室内クリーニングと鍵交換は、私の契約では入居者負担
  • 設備交換で大家が約1万円を負担した事例が2件ある
  • 冷蔵庫撤去は管理会社のサービスで、大家負担0円
  • 最長の空室期間は約1.5か月
  • 退去後の再募集で家賃を下げたことはなく、2回値上げした経験がある

退去時の費用というと、室内の修繕やクリーニングを想像するかもしれません。

しかし、私が賃貸経営で重要だと感じているのは、広告料と空室期間の家賃収入減少も含めて考えることです。

例えば家賃4万円の物件で広告料が4万円、空室期間が1か月なら、それだけで家賃2か月分に相当する影響があります。

毎月の維持費全体については、別記事で5室の実際の収支を紹介しています。

👉 区分マンション投資の維持費はいくら?5室所有して分かった毎月・毎年かかる費用

この記事では、その中でも「退去1回」に絞って詳しく見ていきます。

退去時の費用は大家負担?入居者負担?

入居者が退去すると、室内クリーニング、鍵交換、設備交換など、さまざまな作業が発生することがあります。

ただし、退去に伴う費用がすべて大家負担になるわけではありません。

私が経験した費用負担は次のとおりです。

費用項目私の物件での負担
退去後の室内クリーニング入居者
鍵交換入居者
再募集時の広告料(AD)大家
浴室ドアノブ交換大家
トイレットペーパーホルダー交換大家
冷蔵庫撤去管理会社のサービス
空室期間の家賃収入減少大家が影響を受ける

これは、あくまで私が所有する物件での実例です。

賃貸借契約の内容や設備の状態、損耗の原因によって負担区分は異なります。

室内クリーニングと鍵交換は入居者負担

私が所有する物件では、室内クリーニング費用と鍵交換費用は入居者負担です。

そのため、これらを退去のたびに大家が支払っているわけではありません。

ただし、一般的な原状回復の考え方では、通常使用による損耗や経年劣化については原則として貸主が負担します。

クリーニング費用などを借主負担とする特約についても、内容や合意状況などによって有効性が判断されます。

退去時の費用負担については、国土交通省のガイドラインが参考になります。

👉 国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

私の場合、これまで退去時の費用負担をめぐってトラブルになった経験はありません。

広告料(AD)は毎回家賃1か月分

私が再募集時に毎回支払っているのが、広告料(AD)です。

私の物件では、家賃1か月分を支払っています。

例えば、家賃4万円なら広告料も4万円です。

広告料は、次の入居者を募集するための費用です。

その金額は物件や募集条件によって異なりますが、私の場合はこれまでの再募集で毎回発生しています。

毎月の管理委託費とは別に発生するため、退去が続けば年間の手残りにも影響します。

実際に経験した設備交換費用|2物件で各1万円

中古区分マンションでは、退去後に室内設備の交換が必要になることもあります。

私も、これまでに設備交換を経験しています。

浴室ドアノブの交換に約1万円

所有する1室では、浴室ドアノブを交換しました。

費用は、取り付け作業を含めて一式約1万円でした。

中古マンションは設備が古くなっている場合もあるため、退去後の室内確認は重要だと感じています。

トイレットペーパーホルダーの交換に約1万円

別の所有物件では、トイレットペーパーホルダーを交換しました。

こちらも、取り付け作業込みで一式約1万円でした。

浴室ドアノブとトイレットペーパーホルダーは、それぞれ別の物件で発生した費用です。

同じ退去で2万円の設備交換費がかかったという意味ではありません。

また、毎回の退去で設備交換が必要になるわけでもありません。

冷蔵庫の撤去は管理会社が無料で対応

退去後に冷蔵庫の撤去が必要になったこともあります。

このときは管理会社がサービスで対応してくれたため、私自身の費用負担はありませんでした。

管理会社の仕事は、毎月の家賃管理だけではありません。

こうした個別の対応をしてもらえることも、賃貸経営ではありがたいと感じています。

もちろん、すべての管理会社が無料で撤去に対応するわけではありません。

管理会社を評価するときには、管理委託料の金額だけでなく、実際の対応内容も見ておきたいところです。

空室期間は最長1.5か月|家賃収入はどれだけ減る?

私がこれまで経験した空室期間で、最も長かったのは約1.5か月です。

空室中は、その部屋から家賃収入が入りません。

例えば家賃4万円の物件が1.5か月空室になれば、満室が続いた場合と比べて、約6万円の家賃収入が失われる計算です。

さらに、新しい入居者を募集するための広告料も必要になります。

つまり、退去による収益への影響は、実際に支払う費用だけではありません。

入ってくるはずだった家賃が入らないことも、大家にとって大きな負担です。

家賃4万円の物件で退去1回の影響を試算

ここでは、私の経験を参考にしながら、仮の条件で計算してみます。

試算条件

  • 月額家賃:40,000円
  • 空室期間:1.5か月
  • 広告料:家賃1か月分
  • 設備交換費:20,000円と仮定
項目金額
空室による家賃収入減少60,000円
広告料(AD)40,000円
設備交換費20,000円
合計120,000円

この条件では、退去に伴う支出と家賃収入の減少を合わせて12万円になります。

家賃4万円の物件なら、家賃3か月分に相当する金額です。

ただし、この12万円は実際の1回の退去で発生した金額ではありません。

設備交換費2万円は、別々の物件で経験した約1万円の交換費を組み合わせた仮定です。

また、空室による6万円の収入減少は、現金の支出ではなく、満室が続いた場合と比較した機会損失です。

このように分けて考えると、退去が賃貸経営に与える影響を把握しやすくなります。

退去費用は毎月の手残りから考えることも大切

家賃4万円の物件でも、毎月4万円がそのまま手元に残るわけではありません。

管理費、修繕積立金、管理委託費などが差し引かれます。

そのため、退去に伴う負担が家賃何か月分に相当するかだけでなく、実際の手残り何か月分に相当するかという見方も重要です。

私自身、物件の収益性を判断するときは、表面利回りよりも毎月のキャッシュフローを重視しています。

👉 不動産投資の修繕費シミュレーター|修繕費は家賃・手残り何か月分?

このシミュレーターでは、設備交換などの支出が家賃や手残りに対してどの程度の負担になるかを確認できます。

※空室期間による家賃損失は計算対象外です。

退去後に家賃を下げたことはない|2回値上げした経験

退去には費用がかかりますが、必ずしも悪いことばかりではありません。

私の場合、これまで退去後の再募集で家賃を下げたことはありません。

反対に、家賃を上げることができた経験が2回あります。

入居中の家賃は、貸主の判断だけで自由に変更できるものではありません。

一方、退去後に新しい入居者を募集するタイミングでは、周辺の家賃相場や物件の状態を踏まえて募集条件を見直すことができます。

実際に私が所有する物件でも、退去後の再募集を経て家賃と共益費の合計が月39,000円から47,000円になった事例があります。

ただし、家賃を上げれば必ず入居者が決まるわけではありません。

募集家賃を高くしすぎて空室期間が長引けば、収益が悪化する可能性もあります。

私としては、退去を家賃見直しの機会と捉えながらも、空室期間とのバランスを考えることが大切だと思っています。

退去後に残った室内の臭い|想定外だった出来事

これまでの退去経験で、印象に残っている出来事があります。

ある物件で、退去後の室内に調理用スパイスと思われる臭いが強く残っていたことです。

室内全体に臭いが染み付いたような状態で、設備の破損や目に見える汚れとは違う問題でした。

その後、室内クリーニングによって臭いはかなり軽減されました。

この経験から、退去後の確認では設備の状態だけでなく、臭いなど写真では分かりにくい室内環境にも注意が必要だと感じています。

なお、この臭いによって入居者募集にどの程度の影響があったのか、追加費用がいくら発生したのかについては、明確な数字を把握していないため断定しません。

大家としては、できれば2年以上住んでもらいたい

私が賃貸経営をするうえで考えているのは、できれば入居者に2年以上住んでもらいたいということです。

理由は、短期間で退去されると、入居期間に対する募集費用の割合が大きくなるからです。

例えば、家賃4万円、広告料4万円の場合を考えます。

入居期間期間中の家賃収入広告料の割合
1年間480,000円約8.3%
2年間960,000円約4.2%
3年間1,440,000円約2.8%

※空室期間、管理費、修繕費、税金などを考慮しない単純比較です。広告料1回分を各入居期間の家賃収入で割っています。

同じ広告料4万円でも、1年間で退去する場合と、2年間住んでもらえる場合とでは、入居期間中の家賃収入に対する負担割合が変わります。

実際には空室期間の家賃収入減少や設備交換費なども発生するため、短期退去が続くと収益への影響はさらに大きくなる可能性があります。

私としては、単に募集家賃を高くすることだけでなく、安定して入居してもらうことも大切だと考えています。

退去費用は物件購入前から想定しておきたい

中古区分マンションの購入を検討するとき、表面利回りだけで判断するのは危険だと考えています。

毎月の家賃から管理費や修繕積立金、管理委託費などを差し引くだけでなく、退去時の費用も想定しておく必要があります。

例えば、家賃4万円の物件で年に1回退去が発生する場合と、数年間同じ入居者が住み続ける場合では、実際の収益は変わります。

物件の購入価格や表面利回りが同じでも、入居期間や再募集に必要な費用によって、手元に残るお金には差が出ます。

私はこれまで中古区分マンションを5室購入してきましたが、毎月の手残りだけでなく、こうした不定期の費用にも備えることを意識しています。

👉 不動産投資で手元現金を残すことが重要だと考える理由

購入前に毎月の手残りを計算する

退去費用を考える前提として、まずは通常時の収支を把握することが大切です。

物件価格、家賃、管理費、修繕積立金などが分かれば、毎月の手残りや資金回収までの目安を計算できます。

👉 不動産の利回り・資金回収シミュレーター

ただし、このシミュレーターは基本的に満室想定で、退去時の広告料、原状回復費、空室による家賃収入減少は含まれていません。

今回の記事で紹介した退去コストは、シミュレーターの結果とは別に考えておく必要があります。

まとめ|退去費用は広告料と空室損失まで考える

今回は、中古区分マンション5室を運営する中で経験した退去費用について紹介しました。

私の場合、これまで約4〜5回の退去を経験し、再募集時には毎回家賃1か月分の広告料を支払っています。

室内クリーニングと鍵交換は入居者負担ですが、浴室ドアノブやトイレットペーパーホルダーの交換など、大家側で費用を負担したこともあります。

一方、冷蔵庫の撤去では管理会社が無料で対応してくれた経験もあります。

最長の空室期間は約1.5か月でした。

また、退去後に家賃を下げたことはなく、2回の値上げを経験しています。

退去は避けられないこともありますが、入居期間が短いほど募集費用の負担割合は大きくなります。

だからこそ、私はできれば2年以上住んでもらえる賃貸経営を目指しています。

退去費用を考えるときは、原状回復費だけでなく、広告料と空室による家賃収入減少まで含めて判断することが大切です。

あわせて読みたい実践記事

退去費用だけでなく、毎月の維持費や突発的な設備交換費も、中古区分マンションの収益に影響します。

実際の賃貸経営でどのような費用が発生するのか、さらに詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

👉 区分マンション投資の維持費はいくら?5室所有して分かった毎月・毎年かかる費用

👉 中古区分マンションの管理費・修繕積立金についての実体験

👉 不動産投資の修繕費シミュレーター|修繕費は家賃・手残り何か月分?


※この記事は筆者の賃貸経営経験に基づいています。退去時の費用負担は契約内容や損耗の原因などによって異なります。実際の精算では契約書や国土交通省のガイドラインをご確認ください。

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